矯正治療とは
矯正治療とは
当院では、単に歯並びを整えるだけでなく、噛み合わせが正しいかを重視します。噛み合わせが正しくなると、患者さんの生活の質(QOL)全体が向上するのです。
噛み合わせは、歯の寿命を左右します
一見きれいに見える歯並びでも、噛み合わせがよくないと歯の寿命を短くしてしまう可能性があります。たとえば叢生という歯並びがデコボコになっているケースです。歯磨きが難しく、どうしても歯ブラシが届かない部分ができてしまうため、虫歯になるリスクが高まります。また、開咬という上下の前歯が噛み合わない状態の場合、奥歯だけが噛み合っているので負担がかかりやすく、歯が欠けることがあります。
生え替わりの時期は反対咬合の改善を
お子さまの歯が乳歯から永久歯に生え替わり始める6歳前後の頃は、反対咬合(受け口)になる割合が多く見られます。
反対咬合は、そのまま放置しておくと次第に下顎骨が成長していくため、完全な受け口になってしまいます。そうなってからでは治療が大がかりになるため、できれば生え替わりの時期に矯正治療することをお勧めします。
予防歯科としての噛み合わせチェックを
虫歯や歯周病などと同様に、一般に病気が進行してから治療をするよりも、早い時期に治療やメンテナンスをする方が、治療期間が短く費用がかかりません。良い噛み合わせでない場合、歯は長い年月をかけてゆっくり動き、さらに悪い噛み合わせへ変化します。そのため、噛み合わせを定期的にチェックすれば大きな治療をせずにすみます。
たとえば、部分的に正しく噛み合っていない歯がある場合、放置しておいて歯周病になると歯を支える骨(歯槽骨)が痩せていくので歯並びが次第に崩れ、噛み合わせ全体が悪くなるケースがあります。
歯並びと噛み合わせを定期的にチェックしメンテナンスすることで、歯並びの崩れを極力抑え噛み合わせを保てます。歯周病にならないよう日頃から予防し、そして歯並びや噛み合わせもこまめなチェックが大切です。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用
- 治療開始当初は矯正装置による不快感、痛み等があるものの、数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間より延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正歯科治療には患者さんの努力・協力が必要不可欠です。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置の装着により歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
- 治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯を削ることで歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、被せ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外した後、治療により変化した噛み合わせに合わせて被せ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずの萌出などの影響で凸凹が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる場合があります。
- 前歯を後退させた治療後に、ほうれい線が深くなったり、口唇周囲の皺が目立つようになる可能性があります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
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